【VT】バンガード トータル ワールド ストックETFがコロナ前に戻る

VT

指数系の個人投資家にとって定番となった「全世界株」投資。投資信託でも三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が支持されている。

かたやドルを保有し、個別株もやったり投信ではないETFを買う人で、全世界株に投資するならVT(バンガード トータル ワールド ストックETF)がメジャー。

VTがコロナ前に値を戻す

VTが1口78ドルとコロナ前高値まで戻りました。

これを見る限り、全世界株投資家は「買い場到来」なのではないでしょうか?

IMFが発表する世界成長率が2023年2%の見込み。シンプルに考えて金融経済も2%成長するのであれば、VTも長期では成長するはず・・・・・。

しかしながら、今回のコロナショック・戦争によるショック・資源枯渇によるショック・地政学的ショックを見る限り、世界全体での成長ってはたして未来永劫信頼できるのだろうか?

と思う人も少なくないはず。今のイギリスのポンドや国債を見ても、欧州はウクライナも含めてなんだか回復に時間がかかりそうだな~と言う気が。

日本に関しても台湾、為替、米国次第でなんだかな~と。

結局、アメリカの人口がピークアウトする前の残り10年~20年ぐらいで、金融相場のピークが来そうだな~と。

既にその兆候が今回の米国インフレ事情で出ており、富裕層の購買力が相変わらず高いと言うか、別にものの値段なんて関係ない層の購買力が落ちない。

そうなるとインフレの打撃は、中間層以下にボディーブローのように効いており、中間層以下のクレジットカードローンの残高がコロナ前にも増して増えている。

さらにクレジットカードローンの利率は、昨今の利上げで上昇しまくり。

中間層以下の預金が全て出払い、クレジットカードローンの返済が追い付かなくなるまで利上げを続ける。ないし、キープすると破産者が増える。まさに景気後退であり、不動産市場も無傷ではすまなくなる。

そうなると上位層のキャッシュも目減りするが、生活には影響がない。そしてまた、経済対策で利下げやマネーサプライの上昇により、市況がよくなり上位層の資金がまた増える。

この循環を繰り返すと富が一部に固定する。これが世界規模で行われると、やはりドルに米国に富が集中する。

相変わらず米国民が投資するのは、SPY(S&P500指数)でありVTではない。

ホームバイアスと言えばそうかもしれないが、資本主義経済下では、「Buy American.I am」なのだろう。

VTのリターン

VTのリターンに関して分配金再投資後の騰落率は、以下の通り。5年リターンで年平均5%となっている。

1ヵ月-9.85 %

3ヵ月-7.14 %

6ヵ月-18.93 %

9ヵ月-22.95 %

1年-20.46 %

2年-0.31 %

3年15.17 %

5年24.92 %

VTの構成銘柄の6割が米国株であることから、ほぼ米国株の動向でリターンが決まってしまう。さらにコロナ前に価格が戻っていることもあり、世界で分散する意味って何なの?と暴落時は感じるもの。

S&P500でも買っていれば、リターンは2倍になる。

アメリカがウクライナ戦争でミサイルが米国に飛んでくるようになっても、台湾で米国の空母が沈んでも、VTは暴落するし米国株も暴落してしまう。

仮に中国株がとんでもないことになって、米国株が終焉を迎えてもVTはさほど上がらない。

少なくとも人口がピークを迎えるまでは。

VTの配当率

VTの分配に関して言えば、2.55%と魅力的に映る。

ちょっと前の高配当ETF並みの利率。

ただ、これなら10年物の国債以下であり、今後の債券価格は上昇もする。1~3年の期間で見れば、債券がアウトパフォームする可能性すらある。

中長期では株が勝つだろうがVTを買おうとするのであれば、現状、悩ましい。

複利効果も狙えるが債券を買って、配当でVTを買っていくのもいい。債券価格は、今後も多少下がるだろうからとんとんになった時点でVTに切り替えれば、市況がよくなるタイミングをとらえることも出来るかもしれない。

VTを買いまくる日本人

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

全世界株の投資信託である「オルカン」の純資産推移。凄いとしかいいようがない。コロナ前から伸び始め7,000億に到達。たった1つの投資信託に凄い伸び。

実際には、VTとは違うが全世界に投資する日本人が非常に多い。

この流れに逆らって円高にするのは難しい。日本個人投資家がドル買いのフローを起こしている。

日本人の貯蓄が投資に回り、さらに上位層であればすぐ資金を必要としない。ideco利用者が増え、NISAも米国株となればかなりの円がドルで固着する。それも数十年に渡って。

円安と世界株下落が合わさり、ダメージは軽減。今度は、円高と世界株上昇が合わさりリターンも軽減。しばらくVTは、円ベースで軟調であるはず。

ただ、円高になるまでは、S&P500のほうがリターンが良いのは間違いない。

2022のVT所感

これだけ円安になると円高に振れた際の円ベースリターンが下がる。それに勝とうとすると円高になるまでは、S&P500ETFに突っ込んで円高になった際に利確し、ドルで受け取る。

この時に円ベースで損失が出る。それをそのままVT派の人は、VTに突っ込めばおそらく一番効率がいい。

今VTを買っても回復スピードは、欧州が入っていないSP500のほうが確実に早い。なんならSP500のほうがいいわけだが、人によってスタイルが違うのでVT派の戦術として一時的にありかなと思った次第。

もしくは、5%以上ある社債や国債を買って同様に円高に振れた目安で、VTに乗り換える手もあるかもしれない。

いずれにせよVTホルダーにとっては、コロナ前高値を割ってきた今、買い場が到来しつつあるのは間違いない。2023年中も資金枯渇しないよう、こまめに拾っていきたいところだと思う。

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