米国株・米国ETFではCFD?信用取引?レバレッジをかける

cfd

ぽんつ
ぽんつ

ドル建ての米国株や米国ETFにどうやったらレバレッジを掛けられるのだろうか?と思ったのがきっかけで調べて実践してみました。

日本株だと信用取引があって、持っている株などを担保に掛け目が設定され、その範囲内で利息を払いながらレバレッジをかけることが出来ますよね。

ざっくりと持っている株や現金を担保に銘柄やものによって5割~8割ぐらいが借りれるイメージ。そう考えるとレバレッジとしては、1.5倍~2倍ぐらい。利息も円建てなので、1%~3%ぐらいでしょうか。

証券会社によっては、証券担保ローン(融資)があるので1%未満で借りれる証券会社もありますよね。おそらく、これが一番安い方法ですね。レバレッジをかけるとすれば。

米国株ETFの信用取引できる国内証券会社

国内資本の証券会社で、米国株や米国ETFの信用取引ができる証券会社は、ありませんでした。おそらく法令か団体、行政のガイドラインで禁止しているのかもしれません。

ただ、日本人が証券口座を適法に開設できる外資系の証券会社だと、信用取引ではありませんがCFDとして実質的にレバレッジをかける取引が出来るようです。

となると米国個別株や米国ETFの運用で、レバレッジをかけたいとなった場合は、これらの外資系証券会社で口座を開設することで取引できるようになりそうです。

もっとも、2倍以下で良いのであれば証券担保融資が国内証券会社で提供されているので、ネット系証券会社や大手証券会社で口座を開設し、利用することもできそうです。但し、証券担保ローンが使える純資産額が数千万や数億の場合もあるので、資金量と利息が反比例の関係ではありそうです。

米国株ETFのCFD取引コスト

これが驚愕でした。外資証券会社は、国内ネット証券とは異なり手数料がべらぼうに高かったです。

為替手数料(片道、往復などの表示に注意)

まず、米国株に投資するわけですから、日本円を米ドルにドル転する必要があります。この時に、国内ネット証券会社では、実質為替手数料が無料(スプレッドもなし)だったり、1ドル5銭ぐらいが相場です。

これが外資系証券会社となると取引額の0.5%だったりします。しかも、1ドル5銭だったとしても「総取引額」に対して0.5%や片道5銭がかかるので、仮に100万円を元手にレバレッジ5倍で500万取引すると0.5%が為替手数料であるならば、2万5千円。つまり、元本に対して2.5%も為替片道手数料が取られることに。

そうかんがえると外貨建てで信用取引・CFDが出来たとしても、最初に懲罰的な手数料を払わないといけなくなります。

買付・売却手数料

これも片道なのか往復なのかで言えば、往復でかかります。0.15%~0.5%程度でこちらも「総取引額」に対して発生します。つまり、100万円を元手に500万円を購入すれば0.15%だったとすると、買付手数料7,500円です。

イメージ的にレバレッジの倍率5倍であるならば、手数料を5倍して元本に対して掛け算すると分かりやすいかもしれません。2倍であれば、手数料0.15%も2倍で0.3%元本100万円なら3,000円です。

往復になりますので、レバレッジの倍率×手数料×2回が実質買付コスト

往復コスト

これで外資系証券会社のCFD(レバレッジ取引)を利用すると、為替手数料と売買手数料がかかることが分かりました。その金額は、当たり前ですがレバレッジをかける倍率に応じて増えるので、100万円を持っていて500万円の5倍で取引するとコストも5倍になります。

上の例で行くと為替手数料で0.5%。売買手数料で片道0.15%だとします。合わせて0.65%になります。さらに往復になりますので2倍すると1.3%。レバレッジを5倍かけているとすると6.5%が往復手数料になります。

つまり、買った瞬間に100万円から元本で6.5%毀損し、93.5万円になると言うことです。

金利・利息

次に恐ろしいのがオーバーナイト金利。結局は、信用取引と同じようなイメージで、お金を借りてレバレッジをかけているので金利、利息の支払いが生じます。金利がマイナスだったり、売りから入ったりすると若干異なる(買いより少ない)のですが、どちらにせよ金利が発生するので売っていれば、利息をもらい続けられるようなFXのスワップ的な要素は無いようです。

これが実質3~4%ぐらいになります。フェデラルファンドレートによって変動する変動型がほとんど。2022年以降、上昇が予想されていますのでこの金利も上がってくることになります。

こういった要素があるから、金利が低い場合に企業がお金を集めたり、投資家がお金を借りて投資しやすいので相場が上がりやすいと言うも理解できます。金利が上昇すれば、企業負担が増え投資家もお金を借りてまで投資するものが減ってくるので、総投資額が減り相場が下がります。

利息に関してこれも「総投資額」に対して3~4%になります。100万円の元本で500万円分をレバレッジ5倍で運用した場合、500万×3%=15万円が毎日、もしくは、毎月元本から清算されます。

つまり、口座に100万円があってレバレッジ5倍で運用を開始すると、黙っていても元本が毎月1万円以上減っていきます。運用利回りにして年率1%近いので、1年保有した場合元本の15%が利息で減ることになります。

必然的に決済タイミングが来る

例えば、年率3%換算でレバレッジ5倍だとした場合、元本に対しては年率15%の金利となります。ロスカットが各社で異なりますが仮に25%でロスカットされるとなると、証拠金にもよるのでおそらく40%ぐらいが実際の目安。

そうなると株やETFが購入時の価格と変わらなかったとしても、米国個別株で1株100ドルで買ったら2年持って100ドル。米国ETFで1口100ドルでも同じ。2年持っていれば利息だけで口座内の元本が減っているので、3年持つのはかなり難しい。

結果、米国個別株や米国ETFでCFDを使う場合、上昇相場であったとしても途中で利確のタイミングが来てしまうことになりそうです。

米国株の信用取引的レバレッジCFDはムリゲーか?

ここまで来て、値動きが大きい米国個別株でCFD取引するのは、かなり難しいかも?と感じました。ミーム株であったAMCを「絶対落ちる!売りたい!」と思ったピーク時期がありましたが、そういった時にCFDで売りから入る使い方は、ありかもしれません。が、滅多にないので基本使えないでしょう。

ミーム系でトレンドが出てる銘柄に買い仕掛け、トレーリングストップで上値を追うにもCFDで出来そうな気もします。ただ、通常のハイテク株やIPO銘柄でCFDでレバレッジをかけるのは、少々怖いです。

例えば、100万円元本のレバレッジ5倍。ロスカットを25%で証拠金が入るので40%だとした場合、500万運用中で12%下落するとロスカットになります。12%下落って朝起きたら個別株だとあり得ますよね?

ロスカットされるまで持つ人はいないと思うので、仮に半分の6%下落に逆指値を入れておくとします。でも、6%下落って米国個別株だとしょっちゅうですよね?

と言うことでレバレッジ5倍でこの数値なので、2倍ぐらいするとロスカット近辺についても、2倍の余裕が出ます。でも、やはり個別株をCFD取引でレバレッジかけるのは、正直、長期的に見て続かないので、使うとすれば「戦争が起こった」「コロナ以外の感染症ウィルスが発見された」などの大きくて分かりやすい要因が起こった時に、比較的短期で売りで入るぐらいでしょうか?

米国ETFの信用取引的レバレッジCFDはどうか?

では、例えばS&P500やNASDAQ100のCFDならどうでしょうか?これまでリスクの面から見てきましたが、1晩で指数が12%下落するのは、もう〇〇ショックが起きなければ難しい。そうなれば、個別株だろうが指数投資だろうがと言ったところですが、個別株よりは急落リスクが少ない。

短期的な調整局面だと10%下がることはよくあるので、そう考えると指数へのレバレッジ投資も個別株よりマシ・・・の程度でしょうか。

S&P500であれば、年平均10%がこれまでの実績です。ここからCFDの手数料と金利を引くと1年目なら5%が期待リターン。2年目なら年6%ぐらいが期待リターンとなりそうです。NASDAQ100であれば直近の伸び率が高いものの、S&P500に数%のっかった程度でリスクが高め。

そう考えると米国株・米国ETFでレバレッジを掛けるなら、「確実に少しでも上がる銘柄」が望ましいかもしれません。

2022年は利上げが予測されていますので、債券ベアETFでレバレッジなしのETFがあれば最高ですね。金利が上がると債券価格が下落しますから、そのベアと言うことで値段が上がる。もしくは、債券ブルでもCFDなら売りで入れるのでそちらのほうが、金利が安いかもしれません。

ただ、米国も日本化してしまい、利上げが出来ない市況になると作戦失敗にはなりますが。

信用取引・CFDのレバレッジをリターンで考える

結局、投機でも投資でも世界を変えたい志を置いておいたら、資本主義社会下での貨幣量を増やしたい。と言うのが目的と考えられるので、米国個別株や米国ETFへの投資だと期待する年率があるかと思います。

例えば、年5%で運用していきたい。と考えれば、100万円の5%で年5万円。これがCFDのレバレッジ2倍で実現しようとするとS&P500を200万円購入し、S&P500が2.5%上がったところで決済すると年率換算5%になります。

実際は、手数料が入るので4%上がれば達成に。おそらく、うまくいったとしても半年かかるトレードです(2020年や2021年の爆上げは除く)。仮に8%上がれば2年分が達成。

結局のところ信用取引・CFDで「比較的短期間でどの方向に動くか分かる場合のみ」使えるかなと。あとは、ヘッジ目的。これも短期ですね。

米国株・米国ETFの信用取引・CFD的レバレッジまとめ

2020年のコロナショックから2021年末までの2年間で、短期の調整が合計6回ありました。「1日で600ドル下落」などのニューストピックが出るようなタイミングです。

下落の理由を探ると台湾、中国恒大集団、変異株、ワクチンニュースの他にFRBや統計などのファンダ的要素がほとんど。強いて使い方をあげるのであれば、この短期調整だと思われるシーンで米国の指数CFDが有効かなと感じました。

直近のオミクロン株発生付近の下落で実際に買いを入れてみました。直近高値から5%以上下げるのを見て、買い。レバレッジ5倍で反発を待つ。高値から10%下落で証拠金を追加し、さらに買い増し。いずれも下げている理由が不明、もしくは、一時的な要因である場合に限定した購入ルール設定です。

売却ルールは、手数料控除後の年率換算5%。レバレッジ5倍なので実質、指数が1.8%前後値上がりしたら売却するルールに。損切は、マイナス3%で下落要因が想定と違ったり、新たな材料がある場合。3回中2回のリターンでプラス確保の想定。

サテライトのサテライト資金でトライ。フルポジ病には、ちょっとキツイルール設定ですが、米国指数が少なくとも上がり続ける前提に立った投機になりそうです。

米国商品へのレバレッジ投信やETFについて

投資信託やETFでもレバレッジ型が存在するが、基本的にはその日の値動きの2倍など信用取引などのレバレッジとは違う。ただ、似てもいる。

相場が上下するようなレンジ相場であれば、レバ商品の価格は下がっていく。対して、信用やCFDのレバレッジでは、毎日の金利支払いがあるので商品価格は変わらないが、純資産が減っていく。どちらもレンジ相場には弱いと言うことになる。

下落(反対の上昇)相場では、レバ型ETFや投信信託だと2倍ずつ下げて(上げて)いくのでこれまた酷い。かたや信用やCFDのレバレッジは、利息のみで気にすべきは証拠金率となる。

何れにせよレバレッジをかけるなら、当たり前だがすぐに予想する方向に動かないとダメだと言うシンプルな話。長期投資とはわけが違う。

とりあえずオミクロンの下落相場でのテスト、うまくいくだろうか・・・。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA