
QQQをポートフォリオに入れようとした際に、アップルとマイクロソフト多めのAmazonとFacebookのウェートを下げたかったのがきっかけで探しているところ、VGTを見つけました。どういった違いがあるのか、見ていきたいと思います。
もくじ
QQQとVGTの基本情報
銘柄名(ティッカー) | Invesco QQQ Trust(QQQ) | VANGUARD INFORMATION TECHNOLOGY ETF(VGT) |
ファンド概要 | NASDAQ100指数の構成銘柄を全て保有し、同指数の利回り・値動きに連動する。NASDAQ100指数は、ナスダック社が選定しナスダック市場のみから企業を選出。赤字企業や外国企業でも選出され、時価総額や利益、キャッシュフローなど1つ以上の条件を満たせば、指数採用可能銘柄となる。 | MSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックスに連動するファンド。情報系ソフトウェア、テクノロジー、半導体関連銘柄で構成。 |
構成銘柄数 | 100社 | 360社 |
経費率 | 0.2% | 0.1% |
分配利回り | 0.44% | 0.46% |
分配回数 | 4回(3月、6月、9月、12月) | 4回(3月、6月、9月、12月) |
時価総額 | 約21兆ドル | 約6兆ドル |
情報セクター、半導体セクターの検討の際には、あまり分配利回りは気にしませんがQQQとVGTともに0.4%程度です。ただ、経費率がQQQが0.2%でVGTが0.1%ととなっており、10年保有で手数料に1%の違いが出る程度にとどまります。経費率と分配利回り&税金でほぼ相殺されるので、あとは基準価格のパフォーマンス次第となりそうですね。
QQQとVGTの構成銘柄での比較
QQQ | VGT |
Apple Inc 11.70% Microsoft Corp 10.64% Amazon.com Inc 7.61% Tesla Inc 6.08% NVIDIA Corp 5.32% Alphabet Inc 3.91% Alphabet Inc 3.66% Meta Platforms Inc 3.31% Adobe Inc 2.08% Netflix Inc 1.85% 上位10銘柄で56.16% | Apple Inc 19.34% Microsoft Corp 18.36% NVIDIA Corp 4.93% Visa Inc 2.60% Adobe Inc 2.41% Mastercard Inc 2.30% Salesforce.Com Inc 2.25% PayPal Holdings Inc 2.01% Cisco Systems Inc 1.83% Accenture PLC 1.76% 上位10銘柄で57.79% |
QQQには、テスラ、グーグル、フェイスブック、ネットフリックスが入っているのに対し、VGTではそれらの銘柄は入っていません。
むしろ、VGTでは、アップル19%にマイクロソフト18%とほぼこの2銘柄の影響を大きく受ける構成銘柄となっています。ただ、QQQもアップルとマイクロソフトで20%近いです。
やはり肝は、テック系銘柄でもアマゾン・テスラ・グーグルを入れたいならQQQでしょうか。
QQQとVGTをチャートで比較
最終的なパフォーマンスは、区切る場所で変わってきてしまうため、コロナ前とコロナ後で比較してみます。

2015年1月~2019年12月のVGT(ローソク)QQQ(折れ線)になります。5年間でQQQが112.12%、VGTが143.28%です。2019年以降に顕著に差が出始めました。
QQQのほうがパフォーマンスが低くなってしまった要因と言うよりも、VGTがアップルとマイクロソフトの比重が大きいことによるほうが大きいと推測できそうです。

2019年からコロナショックを挟み、2022年12月までの比較チャートです。3年で15%ほど差がついており、エヌビディアの上げやアップルの年末上げも影響した模様。ただ、3年で見るとほぼ同じぐらいのパフォーマンスです。
テック系銘柄の上げが一巡し、利確も多くなり2022年以降は、堅実なパフォーマンスに戻るのが確実である為、QQQもVGTも2022年以降しばらくは、どちらも同じようなパフォーマンスであると予想。
QQQとVGTのパフォーマンス比較
VGTが2005年からのデータしかない為、2005年以降のQQQとVGTのパフォーマンス比較です。
QQQ | VGT | |
平均リターン | 16.5% | 16.7% |
リスク | 21.5% | 23.2% |
平均リターンがほぼ同じで、リスクが若干VGTのが高めです。VGTのほうが振れ幅が大きいと言うことになります。イメージ的には、QQQが年率マイナス5%~プラス38%の間に約7割の確率で収まる。VGTに関しては、年率マイナス6.5%~40%の間に約7割の確率で収まると言うことに。
ただ、1年目マイナス50%で2年目プラス45%と言うこともあるので、3年~5年は最低持たないと理論上のリスクリターンにはなりにくくなります。
QQQとVGT比較まとめ
・QQQよりVGTが数年比較で常にパフォーマンスが高い(年5%前後)
・QQQは、アップル・マイクロソフトで合計20%。VGTにおいては合計40%で2大テックにかなり依存
・配当はどちらも同じ。手数料は、VGTが0.1%安い0.1%。
・QQQには、アマゾン・Facebook・グーグル・ネットフリックスが構成銘柄にあります。
結局、テック系ETFに限らず、時価総額加重平均だと上位銘柄のパフォーマンスに左右されてしまうので、上位銘柄に自分が個別株でもホールドしてよいと思えるものが多いほうを選択したほうが、パフォーマンスに納得できるかもしれません。
2022年以降は、大手テックの上げも一巡し、平均リターンへ戻ってくるはずですし、半導体需要は落ち着くまで2~3年続くと考えられていますが、QQQもVGTもエヌビディアが同じぐらい含まれています。上位10位未満でVGTは、半導体関連銘柄が多いので半導体関連を拾いながら情報系も拾えるVGTか半導体を薄めたQQQか。そんな見方もできそうですね。
データセンター、ビッグデータ、機械学習関連もテック・半導体どちらも関係あるので、QQQとVGTどちらかと言うよりもテック・半導体枠でどちらもポートフォリオに入れるのもありかもしれません。