高配当ETF・株のデメリット

ぽんつ
ぽんつ

人生の3年間を高配当もののファンド、ETF、株などで投資してしまった経験から、高配当もののデメリットをまとめておこうと思います。

高配当ETFや株、ファンドが悪ではない

まず最初に、高配当ものETF・株・投資信託など全てが悪ではないと言うことです。ただ、商品選びは必要ですし、投資の計画や目的も重要になってきます。私が買ったことのある高配当商品は、下記の通りです。

  • 毎月分配型REIT
  • 米国高配当ETF
  • 高配当日本株
  • 毎月分配型ファンド
  • ドル建てBBB格付け社債、格付けなし社債
  • 高配当米国株

これら全てに投資しましたが、それぞれ良し悪しがあり、目的・市況・予算に応じて変わってきてしまいます。

なので、数ある高配当ものの金融商品が全て悪ではなく、人や市況に応じて最善が異なってしまう。と言う話になります。

私が感じた、高配当ETFや株などのデメリットを紹介していきたいと思います。

暴落時は、全て暴落するデメリット

直近だと記憶に新しいコロナショック。「債券は、不況やショックに強い」「金は、インフレ対応型の暴落緩衝材」などショック時のヘッジとして語られますが、高配当ETFや株、ファンドなどももれなく暴落します。

さらに債券である社債や国債も一時的にでも暴落します。ここでは、米国債などは高配当とは言えないので省きますが、平時で年率クーポン3~4%前後以上でる国債・社債は、高配当ものとしておきましょう。

ETFや投資信託であれば、基準価格が下落します。株であれば株価が下落。債券であれば債券価格が下落と何でも金融ショックでは下落しますから、高配当ものだからと言って下落幅がかなり少ないとか、そういったことは無いと言うことです。

暴落後の高配当も下落

面白いのがある高配当ETFの基準価格が100円で年率5%だったとしましょう。コロナショックにより、基準価格が70円と30%ダウンしました。ただ、利回りに関しては、若干減ったものの4.5%でした。

この場合、基準価格70円に対して年率4.5%となりますので、当然ですが配当がかなり減ってしまうことになります。

基準価格は大きく下落し、配当も表面上は変わらない印象ですが、配当金を見ると激減しているわけです。

よって、高配当ETF・ファンド・株は、暴落時には基準価格・配当額も下落します。

どういう時に困るのか?

高配当もののポートフォリオでリタイアしている場合、生活基盤の一部になっている場合に危険です。例えば、1億円で3%のリターンを期待し、高配当ものでポートフォリオを組む場合、税引前年300万で生活できるとします。

これが、30%暴落し、1年間継続すると7,000万の資産に対して3%だとしても年間210万円で、当初の予定より年間90万円も減ってしまうことになります。1年のみならず、2年相場が戻って来なければ合計180万円ほど予測からずれてしまいます。

このように高配当ETFや投資信託のみに依存すると、当たり前ですが1回のショックで退場してしまうリスクが出てくるので、非常に危険だと思いました。もっとも、1回で退場と言うよりも資金計画がかなり狂ってしまいます。

高配当ETF・株の暴落時戻りが遅いデメリット

これは、高配当ETFや投資信託の中でも、RIETだったり一部で人気のSPYDなど何でも良いのですが、通常の株式等と異なり戻りが非常に遅いです。

逆を言ってしまえば、遅行して戻ってくるので戻らないと言うわけではありません。長期投資であるならば、ショックで売却することも無いので、待っているだけです。それであれば、前述のデメリットである暴落時の配当減少を耐えられるのであれば、戻りが遅いことはデメリットにならないかもしれません。

ただ、暴落時をチャンスととらえようとすると、高配当ETFや投資信託が足かせになります。戻りが遅いので、待っていれば戻るものの、待っている間に高配当株以外が爆上げします。

また、債券が入っているファンド。株50:債券50で前後する年率5%ファンドを買っていたのですが、暴落する時は暴落し、戻ってくるのに2年近くかかりました。ふれこみでは、「リスクリターンをコントロールし、安定的に5~7%を目指す毎月分配型高配当ファンド」と説明。

確かに長期で見ると5~7%で基準価格変わらず。を目標にしているのでそうなのですが、S&P500が20%~40%上がっている時に、このファンドは年トータルリターンでやはり5%~7%でした。「完全にリターンをコントロールしている」とは言え、超過リターンが皆無なのはもったいない。下落は、2~30%しっかり下がるわけですから。

つまり、中長期投資において高配当ものは、暴落する時は暴落し、戻ってくるのも時間がかかり、パフォーマンスも指数に負ける。と言う何が良いんだか分からなくなり、売却した過去がありました。

利息や配当に税金がかかるデメリット

国内の投資信託(ファンド)やETF、ドル建てのETFや株など何でもそうですが、分配時にクーポンや配当・分配に税金がどうしてもかかってしまいます。

例えば、「リタイアする為に毎月配当が欲しいから」と高配当もののみで固めた場合、リタイア以前でも配当が行われますから、その都度使わないお金に対して税金を払うことになり、複利効果が薄くなってしまいます。

配当は、債券ものでなければ、基本的に内部で株や債券を売却して、配当の原資としているわけですから、その作業を運用会社がやるか、自分がやるかの違いだけなのです。

つまり、配当をもらう必要がない期間においては、高配当ものを買う経済的合理性があまりありません。リタイアまであと10年あったとしても、高配当ものにシフトするのは早い。

むしろ、最近ではインフレ傾向が強く出ているので、債券ではインフレを考慮すると実質マイナス金利となってしまう商品も多いのです。

毎月や年数回でももらった時点で税金が控除される高配当ものは、インフレのこの時代により一層不利な取引条件であると言えそうです。

昨今では、証券会社によって自動売却機能があるので、きちんと成長する銘柄に投資し、毎月一定額を売却していくなど、自分で設定できますのであえて高配当ETFなどを買う必要が薄れてきているとも言えそうです。

成長力に乏しいデメリット

最近人気のアライアンスバースタインの米国株成長投信。毎月分配型で年リターンが40%以上(為替変動込み)と言う凄い商品です。あっという間に情報が広がり、総額も1兆円を超えていて凄いな~と思ってみていました。

このファンドには、為替ヘッジありなしと毎月分配ありなしのタイプなどがあります。ただ、手数料が年率1.7%とかなり高いのです。また、S&P500指数としても為替を考慮するとS&P500に軍配が上がるものの、近似しており成績も優秀と言えると思います。

ただ、こういった優良の毎月分配型ファンドでも、基準価格は上がりません。当たり前なのですが。このファンドは、元から基準価格を一定にするために上がったら分配。下がったら分配停止までして、基準価格を維持します。なので、最大限資産を減らさずに分配していく方針を取っています。

これ以外のほとんどの高配当ETFやファンド、株などでS&P500などの指数を超えるトータルリターンをあげている、高配当ものは見たことがありません。あったら教えてください。

これもそのはずで、基準価格や株価の成長力を優先せずに配当しているので、成長しないデメリットがあります。例えば、自社株買いよりも配当を優先すれば、株価はそれだけをもって上がりません。しかし、配当する分を自社株買いに充てれば、株価は上昇するのです。

これは、課税デメリットが先ほどあると書きましたが、それにも通じるものがあります。高配当ETFやファンド、株は、基本的に成長よりも配当なので、価格が上がりにくいのがデメリットと言えます。

高配当ETFやファンド、株のデメリットを超える目的

投資は、本当に個人個人で目的や予算、期間が違いますから、誰かに強制されるものでもありません。私も「毎月もらえたら嬉しいし、それで資産を増やせたら最高」と単純に感情ベースで選択していました。

ただ、デメリットが1つ1つ積み重なる過程で「別に毎月、隔月もらうことが目的ではない」「配当をもらえる喜びが最優先ではない」と感情を隅へ置けるようになりました。つまり、純粋に資産を減らさずに増やすには、どうしたらよいか?を優先するようになりました。

これらのデメリットを超える目的があれば、高配当ファンドなど元本が減って実質取崩になっても納得できるのであれば、大いに高配当ETFやファンド、株を買うべきだと感じていますが正当化できる理由がかなり乏しいと個人的には感じています。

さきのアライアンスバースタイン米国成長株投資は、ほぼS&P500に近似し配当がもらえる。基準価格は、下落しても戻ってくる。と高配当好きの日本人には、たまらないでしょう。

ちなみに世界でこれだけ毎月分配型が流行っている国は、日本だけだそうです。国民性もあるのでしょう。ただ、リターンや値動きを見せられたら、ロジカルに買う人は世界的に見ても少ないのでは?と感じてしまいます。

高配当ETFやファンドから卒業したわけ

毎月分配型REITもSPYD、高配当株も持っていましたが昔に全て売却しました。何十年後にリタイアするにしても、投資軸に「高配当」は、入れないようにしました。リタイアしても売却による資産取崩をメインにしようと。また、暴落時の毀損リスクも考え、手元資金は生活費の12~24か月分をおくことでヘッジしておく。

「高配当投資が趣味です」と言われると議論は、そこで終わってしまいますが「老後の為です」となると、それまでの配当や低リターンが無駄なので、辞めたほうがいいとなりますし、他の資産の定期売却で十分代替できますと言う話に。

「資産を増やしたいからです」となれば、もっとリスクリターンがよく税金が取られないものがあります。となりますので、なかなか難しいものです。

格安SIMと同じで「なぜドコモを使っているのですか?」と聞き、「安心できるからです」と言われて終わりのような。格安SIMでも何も問題なくて安いのに。と言う界隈と同程度の「高配当もの」。

純投資で高配当投資は考えらないが、趣味での高配当投資ならいいのでは。そんなところでしょうか。突き詰めると高配当もののデメリットが多すぎて、メリットを超越している。と言うのが持論です。

ただ、「2022年は指数リターンが低そうだな」と言う時期に「低PER高配当株にシフトしておく」のは、ありだと思います。高配当4%~5%ぐらいで株価や基準価格が変わらない、下がらないと思われる商品であれば、S&P500やNASDAQ100、TOPIX、日経平均が低迷する時に威力を発揮します。

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