2022年債券投資のウェートを上げる

債券投資

2022年6月15日のFOMC0.75%を受け、執筆時点の16日寄り前。プレで指数が2%下げており、VIX指数もそれゆえ30を超えているのを見て、米国債券へのウェートを上げることにしました。

いつの時代も長期的には、株がアウトパフォームするので株の上昇局面で債券を持っていると、指数投資にすらおいていかれてしまうので買うことはあまりありませんでした。インフレにも負けますし、為替も。

買うとすれば上昇局面でのジャンク債を年率5%前後ぐらいで少し買っていた程度。あとは、2011年・2014年の10年もの米国債でした。

その当時買ったものが、10年債の利回り低下により債券価格が上昇し、のちに+20%くらいのトータルリターンのキャピタルゲインがありました。その時、インカム的には年3%前後でしたので、S&P500平均年リターンの7%には負けるものの年5%程度のトータルリターンだったと記憶しています。

さて、個人的メモ代わりに2022年6月から毎月総資産の1%前後を目安に長期債券ETF買い付けの記録をしていきます(結果、執筆時点がピークとなり、1度の買い付けで終了中)。

国債クーポンがマイナスになる時代が来ていた

いつだったでしょうか。世界的にマイナス金利が導入され始めたのは。各国が紙幣を刷りまくり、金融やビジネスでお金が動き、時に不良債権となり現金が世界にストックされていく。

1980年の米国10年債の金利は年15%。それから金利は下がり続けました。

40年ぶりと言われる物価上昇を抑え、目標としているゴルディロックス相場ならぬインフレ率2%へ収束させる為に、長期金利がどこまで上がるかに注目が集まっていた。

現段階では、2023年4%を織り込みであり、9月まで0.5%が2回程度。

過去10年を見ても利回りだけを見たら非常に魅力的に見える。仮に来年4%に達すれば2008年~2011年以来となる。

債権の利回りが一方向で下落し続けた40年を見ていると、債券利回りは基本下がるものであり、価格が上昇して当たり前であった。その為、債券を最後まで持ち続けることはなく、途中で売却するのが常だったわけだ。

日本の国債もクーポンが無かったり、マイナスのものもあった。

クーポンがゼロ近辺と言うことは、債券価格が高いと言うこと。それ以上、マイナス金利を掘り下げる、債券価格が上がると買わなくなる限界まで上がっていた。

そう考えると世界的に債券は、行くところまで行ったんだろう。と言うシンプルな解。またここまで戻って来るのだろうが、暫くは離れるのだろうと言うのが債券価格下落中の今、買おうと思う理由の1つ。

インフレ増加率の限界

世界も「日本化してしまう」と日本のデフレについて研究が行われ、しかも日本化するのが悪として各国が対応していた。

景気と言うかマインドを冷やせば、買い物や行動をしなくなり、企業も投資しなくなるので消費が抑えられ、供給過剰なものの値段が下がり、インフレを抑えられる。

今回は、コロナにより個人も法人もマインドが冷えすぎた。国や中央銀行が金利を下げ、さらにお金を刷りばら撒いた。そのお陰でインフレのマグマが溜まり、ダムの排水が始まると金融市場に流れ込み暴騰した。

そもそも2019年末の株式相場でも十分加熱感があったと記憶している。

そして、ウクライナ情勢によるエネルギー価格上昇がインフレに拍車をかけた。その前に米中関税問題や米中の貿易戦争などで、そもそも世界が半導体や素材・製品不足になる見込みだったのも忘れてはいけない。

アメリカが産油国となったお陰で、産油国に価格が支配されインフレが際限なく起きてしまい、スタグフレーションに陥るシナリオが無くなった一方、やはりビジネスでの産油なわけでアメリカがロシアの代わりになるには、数年かかってしまうが最悪の事態には、世界的にどうやらならなそうだ。

むしろ、原油価格が高騰しすぎて、各国が景気後退すれば原油が必要なくなる。よって、売れなくなるので価格は、下げざるをえない。但し、すぐ解決するかと言えば、おそらくそうではなく2024年まで90ドル以上をキープするかもしれないが時間の問題。いずれ下がる。

インフレの増加率については、金利が上がらずとも個人が物を買ったり、旅行に行ったりでき無くなれば、需要がなくなりやはりインフレが抑えられていく。そうなる前に金利を上げて、より個人の生活をマイルドにインフレ対応させようとしているわけだが、株価が下がると資産が目減りし、マインドは落ち込む。

重要なのは、やはりどのぐらいの金利でどのぐらいで収めようとしているのか、全く分からない事。CPIがさらに上昇したら、1回0.75%をもう2回打ってくるかもしれない。そうすると2023年で4.5%。さらに上昇すれば5%。この頃には、株式市場はさらに下落しており、決算にも景気後退の証拠が出始める。

そうなるといよいよ最後のダメ押しクラッシュとなり、ハードランディングとなる。

個人投資家としての債券買いは、この金利がMAX・価格が最安の時に仕込むべきだが、今後どうなるかは全く分からない。だが、長期金利が3.4%を超える今、為替を考慮しなければこのリターンで十分な個人投資家も多いはずだ。

もし、生涯年率3.4%が保証されているとしたら、これで十分な人も多いはず。

ドル建て債券運用時の為替

基本的には、債券購入時の円建て価格から円換算売却額で税金を算出するわけだが、1ドル130円台の今なら将来的に円高に振れている可能性が高い。

償還時受取と売却時受取を共にドル受け取りにすれば、税金計算だけ日本円になる。つまり、円高になっていれば納税額が少なくなる可能性が高い。むしろ、マイナスになり税金が発生しない可能性もある。

しかしながら、ドルで運用し続けるのであれば、ドルで受け取っているのであまり関係がない。

例えば、基本シナリオとして年内債券価格が低下、利回り上昇していく可能性が高いが早ければ2023年。遅くとも2025年には、ドル決済であれば債券売りでのキャピタルゲインがあるはず。

この売ったドルで米国株やETFを連続して買うわけだが、買った時のドル円がまた円換算買い付け額となるだけ。指数や株を今度は、上昇局面に乗せて増やしていく。

そう考えると債券投資であっても、過度に1ドル130円台を怖がる必要は無いなと言う結論に至った。

債券ETFのリスク

為替もあるが基本的に株へ投資しようとしている資金の新規ないし振替なわけで、ドル建て資産へ投資し続ける限り気にならない。

あるとすれば、インフレを抑えきれずに金利が上がり続けること。そうなるとETF価格が下がるわけだが、売らなければ損失にならない。仮に証券会社で米国の国債や社債を直接買ったとしても、おそらく同じ。

社債だと企業リスクに加え、それ以外のリスクも発生するので長期債ETFが望ましいと考えた。

その他には、金利の高止まり。とは言え、クーポンがあるのでそれもリスクと言うのかどうか。

今回は、様子を見ながら毎月買い付けるので、さらに金利が上昇してもナンピン買いならぬ債券ETFの積立になり、取得価格が下がり利回りは上昇していく。

2022年債券購入戦術のまとめ

1.為替は気にせずドル転して買い、既存ドルも回す
2.毎月総資産の1%程度を目安に捻出し、買い付ける
3.購入時は、ETF価格の下落ないし維持のタイミングで買い付ける
4.上昇した場合は、一時停止

基本的には、株式が回復相場に移行するまでのクーポン確保を主目的とし、場合によっては7%前後のキャピタルゲインを狙う。もしくは、持ち続けてもいい。

購入するETFは、長期債であるVCLTとBLVやTIP、EMBを検討中。場合によっては、直接債券を購入。

もう1段階FOMCで0.75%が出るなどし、債券価格が上昇(最終利率4.25%程度)するなら、証券担保ローンを使って融資金でも購入を検討していく。但し、日銀のスタンスが0.25%を崩さない限り。

いずれにせよ、私の人生でここまで長期金利が高い時代は、最後かもしれない。金利が4%を超えるなら、買い増し額を増加させたい。

2022年7月22日時点の債券ETF状況

銘柄ティッカー口数平均取得
単価
損益配当
年率
バンガード 米国長期債券 ETFBLV23278.99+3.29 %3.64%
バンガード 米国長期社債 ETFVCLT19981.14+3.30 %3.96%
iシェアーズ 米国物価連動国債 ETFTIP80114.49+0.41 %6.6%

6月に仕込んだ数回分で買付停止としました。損益が-0.5%を超えた段階(長期金利上振れ見込み)で、買い増し(ナンピン?)していきます。インフレには負けますし、為替にも負けるかもしれません。今のところ円換算だと利益が2倍になるので、ドル受取予定だと税金が2倍に。

ドル受取で米国株へ再投資予定なので、円換算ではイーブンかマイナス。ドル換算だとプラスのシナリオがベスト。買い増しのタイミングが先か、円高のタイミングが先か、長期金利のフラットが先か。いずれにせよ、かなりの確率で損しない債券投資・・・のはず。

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