コロナを人類が迎え打ち、21世紀にもなり領土拡大の軍事行動が起こった。いつの時代も歴史的なことが度々起こる。今回も核ミサイルが飛ばない限りは、落ち着くところに落ち着くのだろう。
識者の間・・・3流ニュース記事では、「絶対にロシアがウクライナに進攻しない、これだけの理由!」みたいなのもちらほら見かけたが、何万人を移動させてプーチンが「脅し」を使うか?と思っていた人が多いはずだ。クリミア併合を経て、次のステップと明らかに展開を進めている。
市況を見るに、どうも戦争が間違いなく起こる。そういった情報が伝わり、事前に売り逃げている層がいるのが明確だった。いつの時代も何か巨大なことが起こる前に、何か知らないが下げ始める。一般庶民が知らない。ものすごく大きな。都市伝説的な話でもあるかもしれないが、やはりそういった層もいるのだろう。

振り返ると2021年11月には、もう伸びが止まっていた。インフレと利上げ、テック銘柄やミーム株に暗号資産のバブル状態ではじけつつあった。とも言えるかもしれないが、タイミングが良すぎるのは気のせいだろうか。確かに見込PERなど各種数値は、割高を示していたが。
2022年からは、停滞のレンジ局面から本格的な下げ局面へ向かった。
チャートは、指数投資家大好きのナスダック100。直近高値から既に21%下落しており、コロナでの下落幅30%が射程に入っている。13,000のサポートは、易々切り込むだろうから下値目途は、11,000か。
そもそも、コロナでみんな引きこもった。暇つぶしに投資を始める人が多かったのは、正直、否定できない。
もくじ
最悪シナリオ
ウクライナ全土がロシアに支配され、ロシア派閥による政党樹立によるウクライナ存続。おそらく最も市況にマイルドな影響を及ぼすシナリオだろう。
最悪シナリオは、経済制裁のみでロシアが事を達成し、台湾が同様の結果になることだろう。この間、1~2年程度かもしれないが、株価にとっては最悪シナリオだ。
投資家としては、受難の時期だと言えるかもしれない。こうなると、今下がってきている債券か高配当優良銘柄への投資リターンが年内マシかもしれない。
さらに、利確した層がより一層、リタイア資金の保全から資金が投資に回らないリスクがある。戦争で不安定になり、この先、数年のリターンが危ういと判断すれば大量に増えたMMFから株に回ることはないだろう。
米国市場におけるベビーブーマー世代やリタイヤ予備軍の資金が出てこない。そうなれば、米国株指数投資へのうまみが厳しくなる可能性をはらむ。
ウクライナ戦争の決着は早い
おそらく2月中には、ある程度どうなるか分かるのではないだろうか。事前予想で出ている通り、数日でロシアがウクライナ全土を掌握できるシミュレーションがされていた。そのことからも、NATOや米軍が出てこない限りは、早期に決着がつくだろう。
世界中が「あ~あ」と思っているうちに、市況は織り込み後の段階へシフトする。
指数のショートをするなら金曜日までか長くても一旦2月末だろう。
断続的に下げるには、材料としてウクライナ以外の国による戦争介入しかない。そうすれば、戦争がエスカレートするリスクが残る為、市況の混乱が継続する。
次は台湾
ロシアの動向を見て中国がどうするか決めるのは明らか。
株式市場にとっては、ウクライナよりも台湾有事のほうが影響が大きいはずだ。結局、原油価格が上がれば米国は嬉しい。シェールオイルにシェールガスが売れる。
ウクライナのように実質的に遠いところの戦争は、米国的にもほとんど影響がない。台湾は、鴻海やTSMCなどの重要企業もある。また、中国への経済制裁は、諸外国にかなりの影響を及ぼすだろう。
そう考えるとFIRE投資家には、ウクライナ戦争と台湾戦争を超えられる2年分のキャッシュポジションまたは、キャッシュフローが最低欲しいところだ。中国への経済制裁を考えると、影響はもっと長期に及ぼすかもしれない。
現代の戦争は、長く戦えるほど余裕がない。サイバーテロも兵器も一瞬で結果が出るようになった。長引く戦争は、途上国同士ぐらいしか、もうできないだろう。戦争は短いが、制裁が長い。
ウクライナ ショックをどう立ち回るか
個人的には、今年から少額で指数のショートを始めた。1日ないし2~3日で決済する程度。現在もショートポジションを少し持っているが、遅くとも2月中に決済予定。
ちょうど前回の記事でも書いたタイミングだった。

今思えば、コロナ後の金の下げが弱かった。また、直近の金上昇も戦争を見込んでいた。さらにロシアが金を大量に買っていたとも言えそうだ。
指数のショートも金の利確も2月中に一端の区切りとしたい。
それ以外の優良個別銘柄は、正直、戦争のさなかの表現に相応しくないが、かなりのバーゲンセールになりつつある。
現役世代なら優良株に限り仕込み時期だと言えそうだ。
あとは、投機の暗号資産だろうか。直近の安値近くまで下げており、2月末か3月中が今後の買い場となる可能性が高い。今年は1度も買っていないが、少し仕込んでおきたい。
日本株はどうだろうか?正直、2022年のリターンは、日本株がいい。現時点でのポートフォリオでも、米国株の下落幅の2分の1で済んでいる。
ただ、世界に引きずられる日本株だけに、ここから25,000円を割ってくるとPERが11倍になると思われる。既に日経平均PBRは、1.17倍である。
やはり、2022年はもしかしたら単年度で見ると、米国株をアウトパフォームし、日本株優位かも?しれない。まあ、銘柄によるのだが。マザーズ先物は、コロナショック時の下落に追随しており、もしかしたらコロナショックと同じぐらいまで下げる可能性すらある。
トヨタやソニーなどの大手に加え、配当狙いと利上げカバーに金融株などを個人的に選好している。
次のステップ
相場を乗り切る為にウクライナショックが終わったら。戦争が終わったら、どこのセクターから回復するか予想を立てておきたい。こういった未来が不確実な時にこそ、投資の勉強をするに限る。今、リアルタイムでダイナミックに動いている相場。
国別、セクター別、アセットクラス別に何が最も早く回復するか。
机上の理論では、その順番に資金を投資・利確していけば、指数以上の成績が得られる。プロでも難しいので、まず不可能ではあるのだが。勉強にはなる。
もう少しで、1%未満の証券担保ローンが使えれば、借入して買い時になるかもしれない。こんな状況でもインフレは進行していく。利上げの判断がさらに株価を下落させるかもしれないが、その時はやはり買い時だろう。
個人的には、信用取引コストよりも融資コストを選ぶので検討しておこうと思う。