
ゲーマーとしても投資家としても衝撃のニュースだった為、取り上げました。2023年末までにMicrosoftがActivisionを8兆円で買収!
アクティビジョンを知らない人は、多いと思いますがソニーとマイクロソフトを知らない人はいないはず。プレイステーションを知らない人はいないと思いますが、Xboxを知らない人は多少いるはず。
アクティビジョンは、世界的人気ゲーム「コールオブデューティー(CoD)」シリーズの製作元。コールオブデューティーは、MicrosoftのXboxとSONYのプレイステーションなどで販売されている為、それぞれのゲーム機器でCoDをプレイすることが出来ます。
また、スマホアプリでもプレイできるので、実質アップルやグーグルでも使えます。
これに対し、任天堂は、switchなどハードも開発し、「あつまれ動物の森」だったり「マリオカート」などソフトも開発・販売していますので、ハードからソフト、知的財産まで一気通貫モデルに。
よって、このニュースは、世界的なゲーム会社ActivisionをMicrosoftが買収した。ゲーム業界でMicrosoftのライバルであるソニーに影響が出るだろうとソニー株が売られた。それが今回の顛末になります。
もくじ
メタバースとゲームの関係

投資をやっている人と意識高い系の人が知っている「メタバース」。Facebookが社名をメタ・プラットフォームズに変更したことでも話題となりました。
Web3.0と言った流行り系ワードと同じ、メタバース銘柄が広範囲に拾われましたがメタバースとゲームが非常に近いと言うか、個人的にはゲーム=メタバースであると考えています。
大ヒットあつもり。あれってもうメタバースなわけです。プレイヤーがキャラクターを使い、コミュニケーションを取り仮想世界で遊ぶ。セカンドライフを知っている世代は、「ああ、またそっち系が出たか」と思うわけです。
セカンドライフも一時期超流行りましたが、下火に。時代の先を行き過ぎて、失敗?してしまった典型例かもしれません。セカンドライフがFacebookになったって全然不思議ではありませんでした。企業も多く参入し、なんとかブランディング、広告などに使いマネタイズしようとしていたのが記憶に新しいです。
さて、CoDをやっていてシナリオでもマルチでもゾンビでも何でもいいのですが、あれをメタバースに使おうとするとすぐ転用できそうだなと思うわけです。各社が考えるメタバースのビジョン。それは分かりませんが、横断してアバターを使えるようになるぐらいまでは、統一してくるのではないか?と考えています。
今回のActivision買収も単純にXbox用のサブスクソフト開発目的や単純にIP(知的財産)取得、人材の取得などは、想定内であると思います。
それよりもWindows OSを持っている。Xboxを持っている。CoDを持っている。とすれば、仕事からプライベートまでMicrosoftが抑えることが出来る。さらにVRやAR製品を組み合わせると、リアルCoDなどもソフト・ハード・ネットワークと簡単に接続できそうな気がします。
とりあえずメタバースを実現する為に、OS、端末、ソフトはどうしても必要でしょう。Microsoftには、今後展開する戦略の中でActivision(ゲーム会社)が本当に重要であることが理解できます。
社名をメタに変えたFacebook。オキュラス改めMeta questになりましたが、アカウントはFacebookアカウントなしでもOKに。とにかく拘らずユーザーを取っていく。そんな姿勢を感じますが、メタバースに必要なハードであるVRセットとゲーム。VRゲーミングをまだやったことがないので分かりませんが、やはりゲームソフトが必要。
もしかしたら、Microsoftの買収を機に一気にゲーム業界のM&Aが進む可能性が出てきましたね。
人間どこのメタバース内で過ごしても良いわけです。それをゲームと呼ぶのかもしれませんが、Microsoft、アップル、グーグル、メタ、ネットフリックス。ここら辺は、プラットフォームを仕掛けてくるでしょう。その後、「プラットフォームでの行き来が不便だから、統一規格を作ろう」となるのがピーク。
シームレスにメタバースプラットフォームを行き来出来れば、本当のメタバース社会が到来するかもしれません。ゲームチックでチープに見えていたものが、業務用システム画面に見えてくるような・・・。
SONY株の暴落

執筆時点で暴落当日だったので@14,250円近辺から12,410円まで下落。約13%と暴落しました。この日は、日経平均も800円(-2.8%)下げたのもあり、大型株で2桁下げるのは珍しいです。この日の1日の下落率は、ソニーが2位でした。
ソニー株もMicrosoft株もどちらもホルダーなのでウォッチしていましたが、ここまで売られるとはちょっと意外でした。まあ、どちらかが総取りに至れば投資家としては、文句ないのですが。
暴落の根拠と言えば根拠なのですが、SONYのゲーム関連売上は約3割。意外にプレイステーション関連の利用料と課金料、ソフト販売が大きいのが分かります。直近では、PER21倍、PBR2倍と国内大型テック株としても米国大型テック株としてもバリエーションが高すぎると言うことはないと考えていました。
また、今回のActivision買収でPS4、PS5にソフトの供給が無くなるわけではありません。投資家がこのニュースでソニーを売ったのは、ソフト供給の懸念とXbox・・・Microsoftの本気度としか言いようがない。シェアが取られるからソニー株は売り。そんな感じでしょうか。
仮にActivision関連で売り上げ、利益が半分になったとしても全体では15%なので、落ちすぎな気はします。ただ、ソニー株は6割外国人。完全にセクターとして一致するわけではありませんが、ソニー株を売ってActivision株を買ったり、Microsoftを買う流れもありそうですね。
とりあえずこの日だけでソニー株から2兆円が流出しましたから、やはりActivision・Microsoft・SONY。このニュースは衝撃でした。間違いなく2022年ディールのNo.1だと思います。
SONYと日本の行く末
SONYがPSVR2を発表しました。発売は、年末?か2023年でしょうが正直、ギリギリですよね。
個人的には、日本企業の中で唯一世界的ブランドを保持し、C向けで勝負できると応援も含んでいたのですが、ソニーの唯一のヒット作がゴッドオブウォーとスパイダーマンぐらい。
ソフトを含めて強化していくのと、やはりゲーム機器だけで終わっていては、今後相当厳しいでしょうね。Xboxは、MicrosoftOSと共にVRも出てくるでしょう。FacebookとVRにゲームも横のネットワーク効果が働きやすい。
SONYのハード的PSではなく、パソコンとスマホへの横連携も早くしていかなければ、やはりゲームだけで分断されてしまう。Amazonプライムでゲーム。ネットフリックスでゲーム。ハードは、ユーザーのテレビ、パソコン、スマホを使えばいいので横展開が前提のプレイヤーが今後出てくる。それを抑えるには、やはりハードの横展開とソフトが超重要。外国勢のソニー見切りには、納得できる面も多い。
SONYのスクエニ買収とバンナムの買収ぐらい無いと難しいでしょうね日本も。でなければ、mixiやグリーのようにちょっと残念感が否めないと言うか。世界で突き抜けてほしいと願う投資家にとっては、ちまちまとしたオセロ型経営よりも大三元でお願いしたいところ。
Microsoftがそういう動きをしたってことは、たぶんそっちの方向が正しいのでしょう。凄い製品・ハードを作ることは、意外に容易いけど、IPが付き世界的知名度があるゲームや企業に兆円単位のお金を払う。whatsAppにInstagram、Youtube・・・で独占禁止法絡みで買収が難しくなってきた矢先に、今回のActivision買収で見るべき部分は、ゲームのソフトウェアの会社であればGAFAMも買えると言うこと。
ネットフリックスは、自前制作の可能性を体現しました。ハードだけではない、ソフトの世界にも起こるはずでAmazonのプライベートブランドではありませんが、ゲームもヒットの法則をデータで収集。そこにシナリオやゲーム性を取り込んで作り上げる。ヒットしたものを2、3とシリーズ化。これを高速でやらねば。
PS独占タイトルであるDays goneやデスストランディングも悪くない。ハードと一緒にネットワークとタイトルに関して、もっとスピーディーに回していかなければ、本当に危うい。
ソニーがPanasonic、東芝、日立と同じ土俵になるとPER12倍にPBR1倍ですので、ソニー株で言えば7,000円~9,000円ぐらいです。Panasonicみたいなソニーって全然面白くない。マジで勘弁してほしいな~そのシナリオだけは。
MicrosoftとActivisionには期待
ソニーには酷ですが、マイクロソフトとアクティビジョンには期待。結局のところシリーズもので食べている間に、新しい食い扶持を作り続けなければいけないこの業界において、マイクロソフトにとっては、メタバースとXboxの1つのピースでしょう。
ヒットタイトルと人材を抑えながらゲームセクターも抑えておく。その上でメタバースセクターも同時並行させる。
Activisionから見れば、親会社の要求に一部答えつつよいタイトルの製作に取り組める可能性も。そうなると新作に期待できるかもしれません。やはり、ユニティで作られるゲームには、それはそれで良さがありますがリッチなゲームは、まだまだ作るのが難しい。
ただ、コードとノウハウが蓄積され、ソフトもアップデートされ続けているので、どこかで単価と時間のブレークスルーがあるはず。マシンの性能もよくなり、技術=重さとの闘いであるとも思うので、5G全盛でメモリと容量もあがればきっとさらに凄いゲームが出てくる。
何せOS、とハードとAzureと人材、お金のバックアップが付いたらActivision的には、あれもこれもとワクワクします。ゲームの進化は、メタバース実現の通過点であるはずなので、OSメーカーとゲーム開発の親和性はやはり高い。
MicrosoftとActivisionの相乗効果は、かなり楽しみにしています。
ソニー暴落のおわりに
まだ1日しか見ていませんので、下落が継続するかは不明。ただ、ゲーム事業部分が剥落してしまうと半導体やカメラ、まだ見ぬEV。ちょっと魅力に欠けると言うか心配になりますね。
EVもPSやTV、カメラなどと連携し・・・とかも正直、連携が必要かどうか未知ですし、EV自体もセンサーって言ったってユーザーが感じれるのか微妙です。
音楽や映画もソニーにはありますが、スポティファイにAmazonミュージック、ディズニーと何か、ソニーって惜しいと言うか日本人らしい終焉の黄昏と言うか。何なのでしょうね。この日本人の残念感。
かと言ってActivisionをソニーが8兆円出せるかと言えば、時価総額18兆円のソニーには厳しいですよね。
まあ、GAFAMで日本の上場企業が全て買えてしまうので、そもそも「世界のユーザーを取れる企業」なんてものを日本企業に期待するのは、もうおかしいのかもしれません。悲観的と言うよりも客観的に見て。
ちょっと、SONYにがっかりし、日本にがっかりした1日でした。