個人投資家と雑所得

個人投資家が特定の金融商品で運用をする時に、悩ましいのが雑所得。

昔は、FXも雑所得で20%課税ではなかったのが、時代が流れ法律が変わった。

昨今では、個人投資家が運用する金融商品で雑所得と言えば、「暗号資産」「貸株」「オプション取引」だろうか?

社会保険から外れ、国民健康保険と国民年金になってしまった私には、源泉徴収されない所得に敏感になってしまった。

何より確定申告する際の総所得の約11%に国民健康保険料がかかるからだ。

国民健康保険料が高い 国民健康保険料が異常に高い件。投資家やFIREは要注意!

税金の為に投資金額をセーブするのも馬鹿らしいが、給与所得並みに課税されるのも馬鹿らしい。なんと言っても個人事業主よろしくピンでリスクを存分に取っているのだから。

ここらで国民健康保険に加入する個人投資家目線で、税金についてまとめておこうと思う。

雑所得の税金と保険料

雑所得の税金としては、2種類課税される。住民税に所得税の2つ。

住民税

こちらは、10%均一で課税される。暗号資産、貸株、オプションのプレミアム等の利益に対して10%が住民税として、確定申告し支払う必要がある。

所得税

所得税に関しては、給与所得と同様に累進課税となるので、その他の所得も含めて税率が決定されるが以下の通り。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

雑所得が年間194万円以下なら5%の所得税で済む。これに住民税を加えるとトータル15%の課税となり、一見株式売買などの20%課税より有利に見える。

社会保険加入者は、雑所得を194万円未満にキープできれば有利な戦いができる。

国民健康保険料

対して、雑所得だけではないが総所得に対して約11%が国民健康保険料となる。

仮に年間194万円以下に雑所得を丸め込んだとしても、この金額に対して11%の保険料がかかる。

そうすると住民税+所得税+国民健康保険料で最低トータル26%の税金(+保険料)となる。

雑所得の損失は、繰越できない

ここがもう痛すぎるのだが、雑所得の損失は、繰越できない。暗号資産で損失を被ると、翌年以降の利益と相殺したり過去の損失とは、相殺できない。

となると絶対的に税制上不利な設計であり、10年以上の長期で見るとこの土俵で勝ち続けるのは、至難の業になる。

反面、プレミアムに関しては、雑所得カテゴリで損失が出るのが証券会社の手数料に限定される(プット・コール売りのみの為)。

そう考えると雑所得でそもそも損失が出ないので、損失の繰り越しは出来ないものの暗号資産をやらなければ、さほど痛手ではないかもしれない。

オプション取引で言えば、株の取得価格や売却価格に対して利益や損失が乗っかっているので、雑所得カテゴリには出てこない。

個人投資家×国民健康保なら年329万円まで?

所得税が数値上一気に上がる329万円。とは言え、控除分が含まれるので実質課税割合としては、緩やかに上昇しているわけだが、一応の目安になる。

簡単なイメージとしては、年間200万以内に収めるか300万円以内にするかと言った感じだろうか。

暗号資産界隈も通常取引他、IEOに励んでいたがGMOコインのFCRコインで信頼崩壊。その後、世界的に相場が崩れに崩れ、そこへFTXでトドメ。

今後、連鎖で取引所が倒産するかどうかに注目しているが、暗号資産カジノで稼ぐのは地合いが悪い。

貸株と言っても日本株なら年率1%付けばいいほうだし、米国株なら年率0.01%。何百万利益を生むには、なかなか難しい。

可能性があるとすればオプション取引だろう。無茶なリスクを負わず、プット売り・コール売りのプレミアムのみで年率10%ぐらいをコツコツ目指すなら、レバレッジなし1,000万予算で年100万円。3,000万予算で年300万。

このぐらいが雑所得での限界ラインかもしれない。ただ、これも暴落相場では、1度のインザマネーで戻って来なかったり、戻るのに年単位で時間がかかったりし、年率換算で利回りの低下。さらに含み損を抱える事態にもなりかねない。

シンプルに20%課税で済む投資だけに注力すればいいのだが、性格的に難しい。資産の一部は、雑所得利益になるような取引は、辞められないかもしれないが200万ライン、300万ラインを意識して確実に雑所得カテゴリの収益を積み上げようと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA